よくある質問
NINJA GREASEについて
↳ 製品概要・使用条件関連
NINJA GREASEは、電子機器や冷却システムの熱を効率よく伝えるために使用される熱伝導性グリースです。CPU、GPU、LEDチップなどの冷却を目的として、ヒートトランスファーユニット等との接触面に塗布してご利用いただけます。チップ表面とヒートトランスファーユニットの間の空気層を埋めることで、熱伝達力を向上させます。
熱伝導性フィラーを含んでおります。一般的なグリースとは用途が異なります。潤滑用途には絶対に使用しないでください。(フィラーが摺動面を傷つけます)
主成分は、熱を効率よく伝える熱伝導性フィラー(微細な絶縁性セラミック粒子)と、耐熱性・安定性に優れた特殊オイルです。これらを最適に配合することで、電気を通しにくい特性を保ちながら、優れた熱伝導性能と長期的な安定性を実現しています。
特に定めてはいませんが隙間が広いほどたれ落ちやポンプアウト現象等でグリースが移動する可能性があり、寿命が短くなります。また、熱伝導性グリースは性能のよいものでもヒートトランスファーユニットの金属等に比べると熱伝導率は格段に劣ります。そのためグリースの厚みはできるだけ薄くして使用いただくことを推奨しています。
NINJA GREASEは金属耐久性が高く設計しているため、銅を含む全てのヒートトランスファーユニットの材料に使用することが可能です。金属を腐食したりする性質はありません。一方、両面テープ、スポンジ、紙などの吸油性素材には絶対に接触させないでください。(油分が抜け固化がすすみます)
↳ 冷却性能関連
熱伝導率(W/m·K)の数値はあえて公開していません。
市場には測定条件が明確でないまま高い数値が掲示されている例もあり、数値だけを提示しても正確な製品間の比較に結びつきにくいと判断しています。
なお、当社内の評価では、市販品の中でもトップクラスの性能を確認しています。
数字は開示できませんが、熱伝導性グリースの厚みは主にフィラーの粒子径に支配されます。NINJA GREASEでは他社に比べて微細粒子を使用しているため薄膜化が可能となります。適正な塗布を行って、しっかり固定いただければ、理論上、業界最高の低熱抵抗値を得ることが可能です。
↳ 長期安定性関連
一般的に熱伝導性グリースは数年ごとの塗り替えが推奨されることがありますが、NINJA GREASE は耐久性と安定性を重視して設計しているため、通常のPC用途では頻繁な塗り替えは基本的に不要です。なお、ヒートシンク等への固着が起こりにくい配合を採用しています。
一方で、高温環境で長時間使用する場合や、連続稼働・高負荷運用など使用条件が厳しい場合は、下表を塗り替え時期の目安としてご参照ください。
また、寿命は温度だけでなく、圧力、稼働時間、振動、取り付け状態、粉塵環境などの影響でも変化します。予めご了承ください。
※下表の目安は NINJA GREASE を対象としたものであり、他社製品には適用できません。

湿気や温度変化(熱サイクル)などの影響により、グリースの状態や冷却性能が徐々に変化する場合があります。そのため、定期的にCPU/GPU温度をモニタリングし、以前より温度が上がる・冷却性能の低下が見られる場合は、塗り替え(交換)をご検討ください。
推奨される温度は-50℃~150℃です。ただし、使用温度や使用環境によって寿命が変わりますので、塗り替え頻度に注意が必要です。(塗り替え時期の目安は寿命の質問を参照ください。)
NINJA GREASEは、高温環境でもグリースの保持性を維持し、ポンプアウトしにくい設計としています。ただし、ポンプアウトは、CPUやヒートシンクなどの接触部材が、加熱・冷却の繰り返し(ヒートサイクル)による膨張・収縮や、部材ごとの膨張率の違いによって、グリースが物理的に徐々に押し出される現象です。そのため、どんなグリースでも流体である以上、使用環境によって完全にゼロに抑えることは困難な場合があります。
NINJA GREASEは、一般的な高粘度ハイエンドグリースと比較すると比較的やわらかく、また長期間その柔軟性を維持しやすい設計です。そのため、長期使用による硬化や固着が起こりにくく、CPUクーラー取り外し時にCPUが一緒に持ち上がってしまう、いわゆる “CPUスッポン” のリスク低減にも配慮しています。
ただし、使用期間、動作温度、CPUやクーラーの組み合わせ、装着状態などによって状況は異なるため、現象の発生を完全に防ぐことを保証するものではありません。取り外しの際は、事前にCPUを軽く温めてグリースをやわらかくしてから、無理な力をかけず慎重に取り外していただくことをおすすめします。
銅製ヒートシンクはアルミ製と比較して熱伝導率が高いメリットがあります。一方で銅性ヒートシンクは熱伝導性グリースの寿命を大幅に低下させる場合があります。NINJA GREASEは銅製ヒートシンクにも対応しており、グリース寿命は低下しませんので安心して使用いただけます。

↳ 施工性・安全性関連
対象となる表面を清掃し、適量のグリースを塗布します。ヘラを使用して薄く均一に塗布し、余分な部分は拭き取ってください。その後、ヒートシンク等を四隅均等な圧力でしっかりと取り付けてください。グリース(シリンジ)や塗布表面を60℃程度に温めてから作業いただくと塗りやすく薄膜化しやすくなります。詳しくは塗布方法をご確認ください。
はい、可能です。
CPUクーラーの装着圧が十分高い環境では、中央1点置き、多点置き、X塗りなどの方法でも十分な冷却性能が得られるケースは多く、現在その方法で問題なく使用されている場合は、同様の塗り方でNINJA GREASEをご使用いただいても大きな問題はありません。
塗り方にかかわらず重要なのは、グリースが均一に広がること、空気の噛み込みや未充填(空隙)をできるだけ防ぐことです。
CPUクーラーの装着圧、温度条件などによってグリースの広がり方は変わるため、ヘラを使用しないで塗布装着する方法では写真のようにCPU外周部に未充填が発生する場合があります。
また、同じ塗り方で異なるグリースを比較した場合、一般的には柔らかく広がりやすいグリースの方が有利になりやすい傾向があります。そのため、もし現在NINJA GREASEより硬めのグリースをX塗りなどで問題なく使用されているのであれば、そのままNINJA GREASEに置き換えていただいて問題ございません。
一方で、より安定して性能を引き出したい場合は、付属のヘラを使ってCPU全体に薄く均一に塗り広げる方法を推奨しております。この方法は、塗布量や広がり方のばらつきを抑えやすく、必要以上のはみ出しも防ぎやすいため、周辺部の汚れや清掃負担を減らしつつ、少ない使用量で効率よく施工できるメリットもあります。



必須ではありません。
NINJA GREASEは、ハイエンドモデルの Ninja060 でも、他社の高粘度ハイエンドグリースと比較すると比較的塗りやすい設計のため、通常の室温でも十分施工可能です。
塗布前にシリンジやCPU表面を約60℃(ドライヤーなど)で軽く温めると粘度が下がり、より薄く均一に塗りやすくなります。その結果、塗りムラや空隙、塗布量のばらつきを抑えやすくなり、より安定して性能を引き出しやすくなります。
これは、NINJA GREASEだけに特別必要な処理というわけではなく、硬めのグリースをより有利に施工するためのコツの一つとお考えください。特に冬場や室温が低い環境ではおすすめですが、必須ではありません。
もし現在、NINJA GREASEより硬めのグリースを通常の方法で問題なくご使用されていて充分な冷却性能が得られていているのであれば、そのままNINJA GREASEに置き換えていただいて問題ございません。
導電性はありません。絶縁タイプのフィラーと油を用いていますので、拡散してもショートなどの危険がなく、安心して使用いただけます。
液体金属系TIMは、適切な条件下では高い熱性能を発揮する可能性はありますが、施工条件や接触材料との相性によっては、期待した性能が得られず、むしろ接触熱抵抗が増加してしまう場合があります。 また、導電性によるショートリスク、アルミなど一部素材への腐食リスク、取り扱い難易度の高さなど、一般的なグリースとは異なり注意点も多い材料です。 NINJA GREASEでは、高い冷却性能だけでなく、長期安定性、安全性、扱いやすさを重視した製品設計を基本としているため、現時点では液体金属系の取り扱い予定はありません。
また、液体金属に限らず、異なる種類のTIMやグリースを混合したり、重ねて使用したりすることは、想定外の性能低下や材料トラブルの原因となる可能性があるため、推奨しておりません。
SDS(安全データシート)については、これまで販売事業者向けに個別対応した実績はございますが、一般公開資料として広く配布しているものではございません。
NINJA GREASEは、通常のPC用熱伝導グリースとして安全性に配慮して設計しており、通常使用において特別高い危険性を持つ製品ではありません。
使用後の廃棄については、各自治体の分別・リサイクルルールに従って処理してください。
自然環境への投棄は行わないようお願いいたします。
シリコーンについて
主に以下の課題があるといわれています。
・シロキサンガスの発生:加熱時に揮発した低分子シロキサンが電子部品上に付着し、アーク放電で絶縁物を形成し、接点障害を引き起こす。
・くもりの発生:レンズやガラスなどに付着するため、くもりの発生により光学機器の性能が低下しやすい。
・清掃作業が困難:シリコーンオイルが揮発やにじみ出し(ブリードアウト)によって、周囲の基板や端子に広がる。また、長期使用でグリースが劣化し硬化(固着)が起きる。シリコーンは、溶剤に溶けにくいため、清掃や塗り替え作業が困難になります。
・溶剤(揮発成分)を含む:シリコーン系の高熱伝導性のフラッグシップモデルでは、塗布性をよくするために溶剤などを含む場合が多い。(溶剤入りに関する質問参照)
シリコーン系の高熱伝導性グリース(フラッグシップモデル)はフィラーの高充填がしにくいため、そのままでは塗布性能がよくありません。そのため溶剤(揮発成分)を入れて、塗布しやすくしているモデルがありますが、溶剤を含むことで、以下の課題が発生します。
・揮発による硬化・乾燥:使用後、時間が経つと溶剤が揮発して粘度が上昇し、グリースが硬化・収縮する場合があります。結果として熱伝導率の低下が起きやすくなります。
・ブリードアウト(にじみ出し):溶剤成分が基材や周囲部品ににじみ出すことで、基板やパッケージ表面を汚染する可能性があります。絶縁性の低下や汚染による信頼性問題につながるケースも。
・長期安定性の低下:無溶剤系に比べて経年で性能が落ちやすい。特に高温環境では溶剤の揮発が加速し、寿命が短くなる傾向があります。
・においや作業環境への影響:揮発する溶剤が臭気や体調不良の原因になる場合があります。工場環境では換気設備が必要になるケースもあります。
シリコーンフリーでは以下の効果が期待できます。
・電子機器の信頼性が向上:シロキサンガスが出ないため、リレー・スイッチ・接点類の不具合、光学機器の不具合リスクが減る。
・メンテナンスが楽:にじみ出し(ブリードアウト)が少なく基板汚染を防ぎ、装置の長寿命化にも有利。塗り替え時は溶剤で簡単に拭き取れるため、清掃がしやすい。
・フラッグシップモデルでも溶剤を含まずに塗布性がよい。安定した熱伝導性能:劣化や乾燥が遅く、長期間安定して使用できる。
下記のような様々な機器に採用されています。
・自動車のECUやパワー半導体(高温環境で長寿命が必須)
・通信機器・基地局(24時間稼働でメンテナンス困難)
・高信頼PCやワークステーション(長期間安定動作が必要)
・光学機器・医療機器(レンズやセンサー汚染を避けるため)
シリコーンオイルはフィラーを分散させる能力が弱いため、高熱伝導性のフラッグシップモデルになると、フィラーを高充填することが難しくなり、ノンシリコーンタイプに比べて塗布性が劣ります。固化もしやすくなり、寿命も短くなります。
一方で低熱伝導率のグリースにおいてはフィラーの充填率が低くなるためシリコーン製品でも塗布性能はよくなります。シリコーンオイルは油そのものの熱耐久性はとても高いので油が十分に含まれる低熱伝導率タイプのグリースにおいては熱耐久性は高くなります。
一般的な熱伝導性グリースについて
各メーカーが「公式に採用している熱伝導グリースの銘柄」を公開しているケースはほとんどありません。パソコンメーカーは自社の冷却設計に合わせて、サプライヤーから調達した TIM(Thermal Interface Material)を組み立て工程で使用しており、OEM/ODM先やロットごとに異なることも多いです。消費者が市販のグリースで目にするメーカーなどは、あくまで自作や改造向けで、熱伝導率も耐久性も産業用ハイエンドと比べて劣るため、メーカー純正PCではほとんど採用されていません。
放熱グリースのような流体・ペースト材料は、一般的に専用の測定機器で熱伝導率や熱抵抗を測定します。代表的な測定方法例は以下の通りです。
非定常熱線法(JIS R 2616 / ASTM D5930)
ホットディスク法(ISO 22007-2)
熱界面材料評価法(JIS H 8453 / ASTM D5470)
このような流体に適した正しい測定方法であれば、測定方式による差は小さく、熱伝導率は概ね近い値になります。また、繰り返し測定の精度も高く、測定機器そのものが大きな誤差要因になることは通常ありません。これらの測定装置は自作ではなく、各測定機器メーカーから高精度な完成品として販売されています。
一方、市販されている放熱グリースの表示値については、測定方法が明記されていない製品がほとんどです。一般消費者が高価な上記の測定装置を購入して比較検証することは現実的ではないため、数値だけが独り歩きし、本来は正確な指標であるべき熱伝導率値であっても、製品間で単純比較しにくい指標になってしまっているのが現状です。
繰り返しになりますが、熱伝導率という指標自体は、その製品に固有の性能を示す、正確に測定可能な非常に有用な数値です。問題は、この業界では公平な比較のための統一基準が十分に浸透しておらず、一般消費者が検証しにくいこともあって、結果として“実測値とかけ離れた数字の大きさ競争”になりやすいことだと考えています。
下記の条件に当てはまる場合、低熱伝導率グリースが選ばれる傾向になります。
• 塗りやすさを重視している場合。
• コストを重視している場合。
• 低熱伝導率グリースのほうが薄膜塗布が可能となり高い性能を示す場合。
• 発熱量が少ない機器(LED照明、センサー、計測器)は、過剰な熱伝導率より長期安定性やコストが重要な場合。
一般的にはCPUやGPUのような高発熱デバイスでは高熱伝導率が有利な場合が多いです。ただし、ヒートトランスファーユニットの装着圧力が十分に得られない場合、グリースが硬すぎて薄膜化ができない場合、グリースの限界膜厚が厚い場合には、高熱伝導率のグリースを使用しても熱抵抗値が高くなる場合があり、その場合柔らかく薄膜化しやすい低熱伝導率のグリースを用いた方が性能が良くなる場合があります。
熱伝導性グリースの性能は熱伝導率と実装膜厚の薄さで決まります。高熱伝導率のグリースの中でも塗布性のよいグリースを選ぶことと、限界まで薄膜化したときの膜厚ができるだけ薄くなるグリースを選ぶことがとても重要です。
一般ユーザー向けに流通しているグリース(特に欧米・台湾・中国製)は「数値(熱伝導率 W/m·K)」をマーケティング的に強く打ち出す傾向があります。そのため市販グリースの熱伝導率の測定結果では多くのメーカーが実測とはかけ離れた高い値を記載する傾向にあります。高熱伝導フィラー(銀粉・銅粉、ダイヤモンド、カーボンナノチューブなど)を高充填したグリースであっても実測値は低い値の場合がほとんどです。
日本の大手メーカーでは値を正確に掲示しているため、熱伝導率が低くみえますが、測定した熱伝導率は、市販ハイエンドグリースを上回っている場合が多くあります。
また、日本メーカーでは一般に、長期安定性(硬化しにくい・ポンプアウトしにくい)、信頼性、電気的安全性を重視する傾向があります。シリコーンや特殊オイルをベースに、導電性のないセラミックス系フィラーを採用する設計も多く、見た目の数値よりも「長期間安定して性能を保つ」ことを優先しています。
そのため、「日本のハイエンドは熱伝導率が低い」と見られることがありますが、必ずしも性能が低いことを意味するわけではありません。
下図は、市販ハイエンドグリースを同一条件で測定した熱伝導率の結果例です。

電気的な安全性(導電性を避けたい)を重視する場合は、セラミックなどの非導電性フィラーを使用した熱伝導性グリースを選ぶのが基本です。万一はみ出した場合でも短絡(ショート)のリスクを抑えられるため、一般用途では扱いやすい選択肢になります。
一方で、市販品には 銀粉・銅粉、ダイヤモンド、カーボンナノチューブなど、熱伝導性が高いことで知られるフィラー名を前面に出した製品も多く見られます。
ただし、グリースの熱伝導率は「フィラーの種類」だけで決まるものではありません。フィラーの配合量(含有率)や粒径・形状、分散状態、ベースオイルとの相性、そして実際の塗布状態まで含めた設計によって大きく変わります。高熱伝導フィラーを使用していても、配合量や設計条件によっては期待した数値にならない場合があります。
そのため、熱伝導率の高いグリースを選びたい場合は、フィラー名の印象だけで判断せず、測定条件が明示されたデータや、**実使用に近い評価(温度の下がり方・安定性)**も合わせて確認することをおすすめします。
